ART DESCRIPTION
2006年、バリーは実に独創的で内省深い「イズ・イズ・イット(IS IS IT)」シリーズに着手した。この作品群は、並外れた肖像画への深く実存的な探求であり、その革新的で大胆なアプローチが際立っている。この作品は抽象的な習作で、彼の作品にしばしば登場する半円形など、さまざまな形が使われている。黒鉛で書かれた文字と新聞紙のコラージュで「is is it of (イズ・イズ・イット・オブ)」という言葉を描いたこの作品に見られる言葉遊びは、見過ごされがちな言葉、つまりそれ自体はほとんど語らないが言語を可能にする小さな接続の言葉に対するバリーの関心を浮き彫りにしている。それ自体はにほとんど意味はないが、言語を可能にする小さな接続の言葉である。それらは彼の作品において接続の言葉となり、自由と無限の機会を示唆する。この作品には、この頃からサインとして機能し始める絆創膏のモチーフが刻まれている。
これらの作品は、ラフや鎖帷子などの歴史的な儀式用衣服にストリートウェアやクチュールをミックスしたチューダー朝のイメージを取り入れた、バリーの最も独創的なスタイリングの先駆けでもある。この時期のスタイリングは、『Arena Homme+』(アリーナ・オム+)誌(2009年秋冬号)で英国人写真家でありフィルムメーカーであるジェイミー・モーガン(Jamie Morgan )が撮影して大きな反響を得た「Monarchy in the UK(モナキー・イン・ザ・UK」シリーズで見ることができる。