In it (Portrait of Elvis Presley)
38.3 x 36.3cm From the ‘Plaster’ series (2011-2015)ART DESCRIPTION
このエルヴィス・プレスリー(Elvis Aron Presley、1935年1月8日 - 1977年8月16日)の小さな肖像画は、2011年から2015年にかけての「PLASTER (プラスター)」シリーズのもので、以前の肖像画の作品から発展したものである。このシリーズでは、バリーは絆創膏をミニチュアのキャンバスに見立て、小さくて精巧な肖像画を制作している。彼はエルヴィスが大好きで、その歌声、動き方、ユニークで大胆不敵なスタイルに憧れていた。アトリエではいつも音楽を流しながら仕事をしていたため、音楽は常に彼の作品の中心的な役割を果たしてきた。
絆創膏のモチーフはバリーの作品にとって非常に重要であり、長い時間をかけて様々な形で登場する。当初、絆創膏はアクリル絵の具で表面に描かれ、一種の視覚的なサインとなる(バスキアの作品における王冠のようなもの)。2011年、彼は絆創膏そのものがミニ・キャンバスであることに「喜びをもって気づいた」。そして、絆創膏そのものに絵を描き、ミニチュア絵画を作り始めた。人類の歴史と実存的彷徨の万華鏡のようなモチーフは、歴史上の人物や政治家、キノコ雲の形、ローマ教皇の衣をまとったアマゾンの小包の包装などさまざまだ。これらの細密画の驚くべき技巧だけでなく、歴史的なものと現代的なものの間に存在する時間を超越したものを見つけ出し、そのすべてを現在に引き寄せる彼の能力が、このシリーズを並外れたものにしている。