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BARRY KAMEN

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Saiko Killer

61 x 51cm From the ‘Is Is It’ series (2006-2011)

ART DESCRIPTION

2006年、バリーは実に独創的で内省深い「イズ・イズ・イット(IS IS IT)」シリーズに着手した。この作品群は、並外れた肖像画への深く実存的な探求であり、その革新的で大胆なアプローチが際立っている。 2023年には、このシリーズの作品(1953年のレンチキュラー戴冠式カードに基づくエリザベス2世とフィリップ王子の二重肖像)がクリスティーズによって出品され、2015年の彼の死後初めて公に原画が出品された。

フィレンツェ共和国(現在のイタリア)のルネサンス期を代表する芸術家,ダ・ヴィンチ(Leonardo da Vinci、1452年4月15日 - 1519年5月2日)、スペイン絵画の黄金時代であったバロック期17世紀を代表する巨匠ディエゴ・ベラスケス(Diego Velázquez、1599年6月6日~1669年8月6日)、北方ルネサンスのドイツの画家、版画家で、宗教画や肖像画を多数描いているが、肖像画家として最も高く評価されているハンス・ホルバイン(Hans Holbein、1497年 - 1543年)、盛期ルネサンスのヴェネツィア派で最も重要なイタリア人画家、ティツィアーノ・ヴェチェッリオ(Tiziano Vecellio、1490年頃 - 1576年8月27日)などの巨匠の絵からインスピレーションを得た彼は、伝統的な肖像画の特徴である質感、華やかさ、儀式、力強い姿勢をバッファロー・スタイルのテイストを取り入れて再構築した。 そして、肖像画が意味するもの、そして誰のためのものかを完全に揺るがす意味を持つこの作品は、彼の仕事上でも個人的にも重要な人物を数多く描いていて、巨匠達の名絵画を解読・解体し、権力の本質、権力の所在、権力の隠し事に対する痛烈な探求と批判に転用する彼の興味と能力には目を見張るものがある。

彼が巨匠の肖像画に魅了されたのは、単なる学問的なものではなく、深く感情的な個人的な旅であった。これらの名画が明らかにする、英国文化を支える文化的・歴史的真実の層は、彼の心に深く個人的なレベルで響いた。そして、ロンドンのパブリック・コレクションにある巨匠の絵画コーナーを訪れるのは、単なる勉強会ではなく、献身的な行為で、このような訪問は、彼の絵画や芸術的身振りに影響を与え、また彼のファッション・スタイリングにも影響を与えた。

彼が植民地時代のビルマ人の血を引き、イギリス植民地主義の不公正、暴力、強制的な分断に苦しんできた家庭の出身であるという事実は、今日のイギリスにおける「ポストコロニアル」(植民地主義時代以降)アイデンティティの探求に複雑なレイヤーを加え、より魅力的で説得力があると同時に啓発的でもある。

抽象的なものと具象的なものの間を流動的に行き来するこれらの作品は、キャンバスに書かれた、あるいは貼り付けられた、繰り返される2文字の単語やフレーズは、フリーハンドで書かれた「メタ・スクリプト」(比喩言語)のようなもの、あるいはその日の新聞から貼り付けられたもの)を使って重ねられ、グレー、白、黒、ピンクの限られたパレットが使われている。この頃、彼の作品に繰り返し登場する「プラスター(絆創膏)」のモチーフが定着する。このモチーフは、しばしばキャンバスに貼り付けられたり、キャンバスとして描かれたり、キャンバスそのものに描かれたりしているが、バリーが芸術の中で探求しようとしているアイデンティティと歴史の層を象徴している。

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