ART DESCRIPTION
菊池武夫氏とバリーの親密な関係は、ボクサーとしての菊池氏を描いた、この愛情あふれるトリビュートで美しく描かれている。
2014年に描かれた4枚で構成されたこのイメージには、伝統的なボーラーハットをかぶった男性の写真も3枚含まれており、菊池氏が英国の美学とテーラリングに深い憧れを抱いていたことを明確に物語っている。また、「KILLER(キラー)」という言葉は、菊池のスタイルがまさに「最高」だったことを伝えるために彼が使用したもので、バッファローのメンバーから最高の賛辞が贈られている。
菊池武夫とバリー・ケイマンは、1980年代に誕生したファッション・ムーブメント、バッファロー・スタイルに大きく貢献した。ミニマルでモダンなデザインで知られる菊池武夫は、クリーンなラインとディテールへのこだわりでバッファロースタイルに影響を与え、国際的な評価を得ている。
イギリス人アーティストでスタイリストのバリーもまた、1980年代のパンク、ニューロマンティック、モッズ・リバイバル、レゲエ、ヒップ ホップなどそれまで別々に存在していたジャンルや人々が、ストリートやナイト・クラブと言った空間を通し て、さまざまにミックスされた価値観を生みだした時代に、アンダーグラウンドシーンを伝えるメディアとして産まれ、DIY的発想で作られた『THE FACE』や『i-D』などの雑誌を通して、当時のムードを誌面や実 際のストリートを表現し得たレイ・ペトリ(Ray Petri、1948年9月16日16日~1989年8月)との仕事等を通じて、バッファロー・スタイルの形成に重要な役割を果たした。彼はまた、パンク・ムーブメントを背景にしたイギリスのファッション・ハウス、ヴィヴィアン・ウエストウッド(Dame Vivienne Isabel Westwood 、1941年4月8日 - 2022年12月29日)との仕事や、パンクやニューウェーブ・ムーブメントへの貢献で知られている。